ミュージカル座
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Vol.8

野の花


「野の花」の稽古場で        脚本・演出 ハマナカトオル



    

►会川彩子・南アイ・片桐和美・摩尼貴法・伊藤信彦◀
►田淵圭子・増田愛・竹本敏彰◀

今回の公演は、A組主演の片岡直美のために芝居をつくろうというところから始まった企画です。片岡は、舞芸の生徒時代から演技力に優れた人で、私が今まで演技教師として教えた約20期、数百人の生徒の中でも、3人にはいるほどの演技的才能を見せた人です。ミュージカル座に入団してからは、「ロザリー」で主役の経験はありますが、将来女優として大成するためにも、若いうちから、シリアスな大きな役とたくさん出会わせて、女優としての経験を積ませなければならないと思っていました。ずーっとそう思っていたのですが、いかんせん時間がつくれず、私も非力で、やりたいと思いながらも時間ばかりが過ぎて行き、内心忸怩たる思いでいたのです。

やっと、小規模な公演ではありますが、彼女を中心に、一つのストレートプレイをつくることができて、彼女の演技教師として、少し協力できたかなとほっとしていますが、でも、本当は年に3本くらいは、このぐらいの役をやらなければいけない。それを10年、20年と続けて、成果を出して行ってほしいと、私は思っています。
共演には、竹本敏彰はじめ、ミュージカル座のなかでもとくに芝居好きなメンバーに参加してもらいました。片岡とダブルキャストのB組主演には、まだ研究生の瀬川夏未を選びました。昨年夏の自主公演「FLAME」の演技を見て、彼女ならできると思ったからです。

内容は、ドイツを舞台に、現在と第二次世界大戦中を結び、中学生の女の子が祖母から戦争の話を聞くという構成にしました。この年末から正月にかけて、資料を調べながら台本を書いていましたが、第二次世界大戦のナチスドイツについて調べていると、現在の世界情勢に比較して考えさせられる事例にいくつも出会いました。物語の中で語られる「水晶の夜」は、貧しいユダヤ人の青年が起こしたテロ事件に対するナチスの報復攻撃でした。悪いのはテロを起こしたユダヤ人だという理由で、多くの人が殺され、家屋に火がつけられ、数百に及ぶユダヤ教のシナゴーグが破壊、放火されました。しかもこの責任は、すべてユダヤ人にあるといって、多額の賠償金まで課せられたのです。自分たちは絶対的な正義で、相手が絶対的な悪であるという論理は、大変な殺戮でも、それを正当化してしまう危うさを持っていると、改めて思いました。書き下ろしたばかりのストレートプレイですので、はたしてどのような仕上がりになるか私にも分かりませんが、いい演技に出会いたいと願いながら書きましたので、しっかり演出をして、皆様に誠実な舞台をお見せしたいと願っています。

ミュージカル座のメンバーとストレートプレイをつくるのは、2000年2月の「ママの恋人」以来2度目ですが、もうすでに第3弾も計画しています。ミュージカルにおいても、演技はとても大事ですので、時々はこうした公演をつくって、じっくりと芝居に取り組んで行きたいと思っています。

 
 

►瀬川夏未・萬谷法英◀
►大久保美鈴・中本吉成・片岡直美◀


稽古場の声


►広畠伸一・瀬川夏未・摩尼貴法

►竹本敏彰・福地洋子・山形照美◀

瀬川夏未
"野の花"に出るにあたり、今、とても稽古が楽しいです。解らなくなることも沢山あるし、"あー"と思うことも沢山ありますが、毎回、毎回がとても勉強になっています。もっともっと、沢山のことを感じて、考えて、楽しんで、いきたいと思います。すてきな空間を作っていけたらと思っています。がんばります。

大久保慶
ちわーっす!! またまたおじゃましているKEIです! ミュージカル座の作品を何本か見てくださってる方は、私のことを覚えてくれたでしょうか?・・・えっ?覚えてない?・・・そんなこと言うなよ〜〜。・・・よし!! じゃあこうしよう!! 「野の花」を見に来て覚えてもらう!! うん、何ていいアイディアだ!! ・・・なんてちょっといやらしい宣伝の仕方になってしまったが、マジでぜひ見に来て下さい。何でこんなにいうかというと、本〜〜当に素敵な作品だから! 今、内容すべてを明かす事は出来ないが、二人の女性主人公の友情と、そこに絡むようにして進んでゆく様々な人間ドラマ、そして史実とストーリーの狭間に浮かんでくる不思議なあたたかさと切なさ。・・・う〜ん、やっぱり言葉じゃうまく伝えられないな〜。すいません。でも、とにかく、僕はこの作品好きです!! はい!!
僕等は今、本番に向けて大忙し・・・ってほどじゃないかもしれないけど、がんばってます! 台詞の量も、人によっては、大変多く、言葉遣いも難しく、四苦八苦しています。でも、この苦しさがたまらなく好きだから、舞台に立つんだよな〜。なんて事を最近、しみじみと思いました。エヘッ・・・ちょっと真面目ではずかし・・・。
最後に、「劇場で会おうぜ!」。

会川彩子
想像していたより、セリフが多くて、あせったので、思わずDHA(ドコサヘキサエンサン。記憶力・頭のキレをよくする)を飲みはじめてみました。なんて他力本願な考えだと、みんなにつっこまれました。でも、なんだか、頭の回転が速くなった「気」がしてるので、飲みつづけようと思います。なんて、単純な私。

萬谷法英
彼ら、彼女らの青春は戦争だった。そう思うと胸が痛くなる。もし、僕らがこの時代のドイツに生まれていたら。もし、彼らが今の日本に生まれていたら。僕らは戦争を、ナチスを、ユダヤ人をどうとらえるのだろう。彼らは今の日本に何を求めるのだろう。
できるだけ多くの人々にこの作品を見てもらいたい。見て、何かを感じてもらえたら、それだけでうれしいです。
余談ですが、「サイト」の「私達の祈り」の中の歌詞"私たちは祈る、信じられる国を・・・"というのがありましたよね。自分あの歌詞が好きなんですよ。国を信じるとかって考えたこともなかったし、でも現状は信じられない国があるわけだし・・・。生まれたくて生まれた国ではないけど、どうせ生きるなら、信じられる国に生きたい。こんな歌詞を歌わなければいけないほど、この国はいろんな意味で病んでるんだなと思いました。そして友人にあの歌詞いいよね? とたずねたところ、"そう?"とあっけない返事。今の日本人はこの国に対して、信じられる国になってほしいという望みすらないのかなと思いました。国が病んでる理由。やっぱそれは国民の心が原因なんすかね?

►大久保美鈴・瀬川夏未◀

►片桐和美・大久保慶・摩尼貴法◀

菊地正陽
みなさん、はじめまして、B組モーリス役を演じる菊地まさはるです。
ハマナカ作品の出演は、「ルルドの奇跡」と今回で2度目。それもストレートプレイということで、どんな風になるんだろうと思いながら稽古にのぞんでいます。モーリスとしての存在をきちんと理解して、できる限り小さなディテールにこだわっていきたいです。まぁ、よい作品にできるよう、1回1回の稽古をきちんと積み上げていければと思います。

田淵圭子
なんて素敵な台詞がいっぱいあるのでしょう! 私もルイーゼと友達になりたい・・・いや、大親友に・・・。
私も小さい頃、祖父や祖母の若い頃の話、戦争に行って命からがら帰ってきた話を聞きショックを受け、尊敬すると同時に今の日本の平和をありがたいなぁと思ったことを思い出しました。ちなみに私は青くて小さな花オオイヌノフグリが大好きです。

伊藤信彦
こんな時代だから、この作品を上演する意味があると思っています。お客様にはもちろん、僕自身も大切な何かを見つけられる舞台となればと思いつつ、稽古しています。

大久保美鈴
『ルイーゼ?』『ルイーズ?』『ルイーザ?』『リーザ?』『リーゼ?』憶えづらかった。長い台詞を憶えるより、自分の役名と相方の名前を憶える方が大変だった。ややこしかった!! 打ち上げ温泉が、心のそこから楽しく飲んだくれられるように、頑張ります。

三宅文子
時代もの歴史ものの話が私は好きです。歴史の上の、時代時代にはドラマがあって、環境がドラマチックだから、必然的にそこに生きる人々にもドラマが生まれると思うからです。その時代に生きる人々自身は、どんな歴史の渦が自分をとりまいているのかなど気付かないのだろうけど・・・・・・。ただ渦の中で流されているのみで。私たちが想像で創造した「時代の人間」がお客様の想像をたくさんくすぐりだすことが出来ますように・・・・・・。

►田淵圭子・増田愛◀

►三宅文子・片岡直美◀

南アイ
"時間が止まったような感覚 "そんな感覚を体験したこと、ありますか? 私はある・・・かな。すごーく昔、小さーい頃だったけど、ひとりで大好きなぬいぐるみと遊んでる時だった。天気が良くて、ぽかぽかした日"時間が止まってる・・・"とは思わなかった。そう思うにはあの頃の私は言葉を知らなすぎたし、幼すぎたから。 でも、はっきりと覚えてる。あの時の静けさ・・・目に映ってたもの・・・ここちよさ・・・不思議。

福地洋子
人生の深みと、芝居の深みについて考えてみる。
人生一生懸命生きていると、とてつもなく苦しいこと、悲しい事、悔しい事に出くわす。そしてとてつもなく嬉しい事、楽しい事、また、とんでもない大きい幸せに出くわす。その時の感情はすぐに忘れてしまうかもしれないけど、経験した想いのひとつひとつが、人生や人格を深くしてくれる。多分、舞台上でも、そんな深みはきっと現れる。普段の生活でも、泣いてる人と泣いてるふりをしている人は見分けられるように、舞台の上でも本当に泣いた時はきっと深い悲しみを伝えられる。私は舞台上で「笑う」ということを得意としているが、それは多分、普段の生活で笑う事が得意だからだろう。「戦争の中で生きる」ということをしていない私たちは、戦争のなかで生きることを表現できるのだろうか。
私たち役者には、舞台で初めて経験する想いというものがある。芝居上のこととはいえ、普段味わった事のない切ない、苦しい想い、幸せな気持ち。夫を愛する。息子、娘を愛する。大切な人を失う経験。
稽古場で芝居をつくっている今、台詞を話し、相手と会話し、どんな感情が生まれるのか探っている。劇場へ行き、舞台装置、照明、音楽が入っその中で一生懸命生きたとき、どんな感情が生まれるのか。人生の深みが芝居に影響するように、舞台の上で生きた事は、私個人の人格にも影響する。戦争を知らない私は、戦時下のドイツというつらい時代を、舞台上で一生懸命生きてみようと思う。

国友よしひろ
小劇場でのお芝居はお客様の反応や空気が間近で感じられる分、役者の方も細やかな集中力が必要だと感じます。カールという役はヒトラーを信じるドイツ人としての誇りをもつと同時に、セリフ一つごとにナチス党員としての生き方を自分自身に納得させています。またそれを信じることでしか生きることの出来ない弱さも感じます。舞台では自分の中のそういった部分で生きられるように努力したく思います。みんなうまいのでひけを取らないようがんばりまーーす!

山形照美
ストレートプレイ第二弾。今回は戦争の時代のお話ということで、ミュージカルみたいに稽古場の雰囲気は明るくはないけれど、お芝居は、人間の心の動きを、空気が教えてくれる。いろいろ発見があって、やっぱりお芝居は楽しい。お客様一人一人に生まれる「戦争」「友情」への思いを、いいお土産にしてもらえたらなと思います。

増田愛
いいなと思う台詞がたくさんちりばめられてる作品です。女の子がもってるたくさんの小さないいもの、なにかせつないもの、なにかキラキラしてるもの、なにか幼いもの、なにか色気のあるもの、そしてたくましいもの、そういうものが大きな時代の流れをよそにきちんと息づいてることへの賛歌みたいな作品なのかな? 個人的にお気に入りの作品になりそうです。

片桐和美
ルイーゼってどんな人なのかしら? ハマナカ先生は「風と共に去りぬ」のレットバトラーみたいな人って言ってた。まぁ、私とは全く正反対の人だって事はわかる。リーザにとっては太陽のような人。本番までいっぱい悩んでルイーゼに近づこう。ルイーゼもリーザも本当に精一杯生きた人だから、私も精一杯生きていこう。


片岡直美
ただ今、2月6日午後1時。明日はとうとう初日です。みんなは今朝から劇場に行っています。私は独りで居残りをしてホームページの更新やらをしております。でも、そろそろタイムリミット。私も出かけなければなりません。夕方からは衣裳をつけて舞台上で場当たりがあります。やり残したことがいっぱいあるような気がして不安だし、最後まで、とにかくあがき続けていくことになりそうです。でも、それと同時に、あの小さな劇場で、みなさんと一緒に、今まで経験したことのないような感覚を共有することができそうな気がして、そうしたらとても幸せなことだなぁ、とすごく楽しみにしているのです。




 

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